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今日も日頃柔道整復師が出会う怪我についてお話ししていきたいと思います。五十肩の症状についてお話しします。
五十肩の発病の仕方としては急に出現するパターンと徐々に出現するパターンがあります。多くは徐々に症状が現れるのが多いです。
多い症状として
1肩関節の痛みと可動域制限
2結髪動作、結帯動作の制限
3夜間痛
などがよく見られる症状です。また極端な筋萎縮や腫脹などが見られないのも特徴です。
五十肩は大きく分けて3つの病期に分けることができます。
1炎症期
痛みが昼夜問わずあり衣服の着脱などの日常生活に支障をきたすことが多いです。この時期の運動制限は痛みによるものが大きいです。
2拘縮期
人によっては3〜12ヶ月にも及ぶ人もいます。この時期は可動域内で日常生活を送るようになり、髪を洗ったり衣服の着脱が不便だったりします。この時期の運動制限は組織の癒着や拘縮によるものが大きいです。痛みは炎症期に比べて落ち着いているが、ふとした時に痛みが出ることが多く、寝返りで起きてしまうことも多いです。
3解氷期
拘縮が次第に寛解してくる時期で、少しずつ痛みや可動域制限がなくなってくる時期です。
今日のポイント
五十肩は人によっては長期化することもあるのでしっかりと病態を頭に入れておく必要がある。
今日も日頃柔道整復師が出会う怪我についてお話ししていきたいと思います。
中高年者を中心に、明らかな外傷なく生じる肩の疼痛と関節拘縮を主症状とする疾患です。特に年齢を限定せず同じような症状を指す場合は肩関節周囲炎とも呼ばれます。
加齢による軟部組織の退行性変性を基盤に滑液ほうや肩関節に炎症性の病変を生じて、関節胞が短縮して肩関節の運動制限が起こると考えられます。主に外転外旋障害が著明でそのあと屈曲制限が起こります。
運動制限の原因
外転制限=最も多く制限が起こり、その原因は肩峰下滑液包の癒着や障害が原因
外旋制限=肩甲下筋による障害。もしくは烏口上腕靭帯の拘縮や癒着による障害が原因
今日のポイント
1五十肩(肩関節周囲炎)の原因は加齢による退行性変性がベースにある。
2外転制限、外旋制限で原因が違う
今日も日頃柔道整復師が出会う怪我についてお話ししていきたいと思います。
今日は上腕二頭筋の長頭腱炎です。これは結節間溝の中で長頭が摩擦され炎症を起こす疾患です。
年齢を伴う退行性変性と機械的刺激が合わさり起こるものなので、圧倒的に中年以降に多くなります。肩関節周囲炎の一つと考えられていますが、独立した疾患です。
原因は仕事やスポーツをしていて使いすぎで起こります。症状は結節間溝の圧痛や肩関節使用時の痛みがあります。
スピードテストやヤーガソンテストなどから判断することができます。
今日のポイント
上腕二頭筋長頭腱炎は退行性変性と機械的刺激が合わさって起こるので中年以降に多く発生する。
今日も臨床で遭遇することが多い肩関節の怪我についてお話しします。上腕二頭筋長頭腱の断裂についてお話しします。
結節間溝部での完全断裂がほとんどで、遠位部での断裂や不全断裂はあまりありません。退行性変性を基盤に強い筋収縮が加わって発生するため、圧倒的に中年以降の男性に多い疾患です。上肢の使用頻度が高い肉体労働者に多い傾向があります。またスポーツ選手にも見られます。
原因は重量物を持ち上げたり、スポーツをした時に受傷します。症状は自発痛や夜間痛、結節間溝部の圧痛も見られます。不全断裂では見られませんが、完全断裂の場合、筋腹の遠位移動による上腕下部の膨隆が見られます。
治療法は断端は保存的には癒合することはありません。しかし断裂したままでも機能障害が少ないこともあります。したがって上肢の使用頻度の高い仕事の人や若年者、スポーツ選手では観血的修復を行い、比較的高齢者では保存療法を行うのが一般的です。
治療の初期は三角巾で堤肘をして疼痛緩和を測ります。
今日のポイント
完全断裂の場合は保存的に癒合することはないので、患者さんと相談して治療法を決めてくことが大切です。
今日も臨床で遭遇することの多い肩関節の怪我についてお話しします。前回まで腱板損傷のお話をしていましたが、上腕二頭筋腱損傷も多い怪我です。上腕二頭筋腱の長頭腱は肩関節内を通過して結節間溝でその走行を急激に変えるため、機械的刺激を受けやすく損傷しやすいです。また中年以降では腱板損傷と同じく退行性変性も加わって炎症が起きたり、時には断裂をきたすこともあります。まれではありますが、腱が結節間溝から外れて小結節を乗り越えて脱臼することがあります。
上腕二頭筋の長頭腱は関節上結節から起始して、関節包の内部を水平に通過します。そこで結節間溝で走行を垂直に変えて、滑膜性腱鞘に包まれます。
今日のポイント
上腕二頭筋腱の損傷は構造的に結節間溝で起こることが多い。
今日も肩関節における臨床で必要な知識を紹介します。
初期は疼痛回避を目的とした固定や物理療法を行います。三角巾と外転副子での固定やアイシングなどを行います。しかし最近の研究ではアイシングの効能について様々な見解があります。昔はアイシングを初期の怪我では推奨していましたが、最近はアイシングをしないほうが予後が良いという研究もあります。なので柔道整復師がしっかりと勉強し、患者さんに説明できるようにしなければいけません。
疼痛が軽減してきたら腱板代償機能の獲得と拘縮予防、改善に運動療法を行います。ロテータカフのセラバンドなどを用いたエクササイズや、コッドマン体操を行います。また三角筋のアイソメトリックエクササイズも有効です。拘縮が進んでしまったものは関節可動域訓練を行う必要があります。
しかし腱板損傷の治療は難しいです。その理由は断裂の程度によって外転位で固定を行なっても断端が近位方向に引き込まれ、元の位置には戻りにくいです。また損傷部は肩峰と大結節に挟まれて変性しやすいです。なので全層断裂で肉体労働をしている方や、スポーツ選手など活動性の高い患者さんは観血療法の適応となります。
今日のポイント
腱板の損傷程度によっては治療が難しいので判断が必要